総蛋白とは
総蛋白は栄養を維持するアルブミンと免疫防御に働くグロブリンを合わせた数値を示しています。これらは身体の維持に欠かせない夕ンパク質です。 健康な人は総蛋白の値が一定の範囲に収まります。ダイエットや低栄養状態のように、食事制限や食事の摂取量の不足によってアルブミンの原料となる蛋白が不足して作られなくなると、総蛋白は低い値となります。アルブミンとは
アルブミンは減ることはありますが増えることがないので、高値になることはほとんどありません。アルブミンが低値となる原因として、肝疾患や生成される際に必要な栄養が不足していることが考えられます。アルブミンは正常値内で高いほど良く、正常値を逸脱する低い値ほど良くないといえます。 この値は前回との比較や推移が重要で、高かった値が急激に低下したという状態は危険な兆候です。総コレステロールとは
増えすぎたコレステロールは血管の壁に付着し、血管を詰まらせる一因となります。これが脳動脈で起きれば脳梗塞に、心臓の冠状動脈で起きれば心筋梗塞になります。動脈硬化を早める危険因子には、高脂血症、高血圧症、糖尿病、喫煙、ストレスなどさまざまなものがありますが、中でもコレステロールや中性脂肪が増加する脂質異常症は大きな危険因子です。HDLコレステロールとは
血管内壁にへばりついて動脈硬化を引き起こすコレステロールを引き抜いて、肝臓まで運ぶ働きをしています。このことから 「善玉コレステロール」と呼ばれています。値が低いと、動脈硬化が進んで狭心症や心筋梗塞を引き起こしやすくなります。総コレステロ ール値が高くなくても、HDLコレステロール値が低いと、動脈硬化が進んで狭心症や心筋梗塞を引き起こしやすいことがわかっています。LDLコレステロールとは
細胞内に取り込まれなかった余剰なコレステロールを血管内に放置し、動脈硬化を引き起こす原因となるため、「悪玉コレステロール」と呼ばれています。実際に動脈硬化を促進するのはLDLコレステロールです。動脈硬化とは、血管の弾力が失われて硬くなり、血管の内側の壁にさまざまな物質が溜まって狭くなり、血液が流れにくくなる状態のことをいいます。中性脂肪とは
中性脂肪は、砂糖などの糖質(炭水化物)、動物性脂肪を主な原料として肝臓でつくられます。血液中の中性脂肪が増えすぎると、動脈硬化の危険が高まります。中性脂肪の測定は、動脈硬化性疾患(狭心症、心筋梗塞、脳卒中など)を予防するために重要です。日本人の場合は、心筋梗塞の人のコレステロール値はそれほど高くなく、中性脂肪が高値を示す例が多いといわれています。AST(GOT)とは
肝臓病の有無について調べるとき、健診で最も一般的に行なわれる検査です。心筋、肝臓、骨格筋、腎臓などに多く存在し、これらの臓器の細胞に異変が起こると血液中のASTの量が増加します。肝細胞のほか、心筋(心臓の筋肉)や骨格筋の病気の指標にもなります。ASTは、ALTよりも血液中から消失するのに時間がかかるため、しばらく高値が続くという特徴があります。ALT(GPT)とは
ALTもASTと同様、肝細胞や心筋、骨格筋の細胞に多く含まれているために、これらの病気の指標になります。ALTは、特に肝細胞の変性や壊死に鋭敏に反応するので肝臓・胆道系の病気の診断に有効な検査となっています。慢性肝炎や脂肪肝では、ASTよりALTが高値になります。急性肝炎の極期ではASTよりALTが高値となります。γ-GTPとは
γ-GTPはアルコールに敏感で、特にアルコールで肝臓が障害されると、ALPやLAPなどのほかの胆道系酵素よりも早く異常値を示すので、アルコール性肝障害の診断に特に重要な検査です。γ-GTPだけが高いときには、アルコールが原因の肝障害か膵臓の病気(膵炎や膵臓がん)を考えます。この場合には数日間禁酒した後、再検査をします。尿酸とは
主に痛風の診断をするため、血液中の尿酸値を測定する検査です。尿酸は血液中には尿酸塩となって溶け込んでいますが、腎臓の機能に障害が起こって尿酸が正しく排泄されなかったり、何らかの原因で尿酸がつくられすぎたりすると、たまった尿酸が異常を引き起こし、濃度が一定以上に高くなると結晶化し、足の親指や関節などにたまります。これが痛風発作を引き起こします。尿素窒素とは
通常、尿素窒素は腎臓でろ過されて尿中へ排出されますが、急性や慢性の腎不全などで腎臓の働きが低下すると、ろ過しきれない分が血液中に残ってしまい、尿素窒素の値が高くなります。尿素窒素の値は、尿素の生成と排泄のバランスで決まりますので、タンパク摂取量、タンパク代謝機能、腎機能の3つの因子が深く関連しています。この値が高値の場合は腎不全が、低値の場合は肝障害、肝不全が疑われます。クレアチニンとは
クレアチニンは、腎臓が正常に働いていれば尿として体外に排泄されます。つまり血液中のクレアチニンが多いということは、腎機能が障害されているということになります。クレアチニン値は筋肉量に比例するので、一般に女性より男性のほうが10〜20%高値になります。年齢による変動はほとんどありません。HbA1cとは
過去1〜2カ月の血糖の平均的な状態を知ることができます。検査前の食事や飲酒にほとんど影響を受けません。異常値が出たら1カ月以上の間隔をあけて、再検査を行なってください。CEAとは
主に胃がんや大腸がんの腫瘍マーカーで、消化器系がんのスクリーニング検査として広く用いられています。女性の場合、乳癌、卵巣癌、子宮頸部癌などでも高値になります。CEAが高値である場合、体のどこかにがんがある可能性が高いので、症状にあわせてほかの血液検査やX線造影、超音波、CTなど消化器系を中心に、肺や婦人科などの精密検査も必要になります。基準値は5ng/ml以下、基準値の倍以上ではがんの疑いが濃厚、4倍以上では転移がんが疑われます。AFPとは
主に肝臓がんの腫瘍マーカーとして使用されます。その他にも、胃がん、肝硬変、肝炎でも高値を示すこともあります。PSAとは
前立腺がん、前立腺肥大症、前立腺炎などで高値を示し、前立腺組織が大きいほどPSAの数値も高くなります。前立腺がんの初期は自覚症状がありませんが、PSA検査で早期発見することで根治も可能となります。CA19-9とは
主に消化器系がんの腫瘍マーカーとして用いられていますが、中でも膵臓、胆管、胆嚢がんのときには数値が高くなります。膵炎や胆石など両性の疾患が原因でCA19-9の価が高い場合は、症状が治まれば数値も自然に下がります。3〜5カ月後に経過観察をして、変化がない、あるいはさらに低下していれば、がんの心配はあまりないとされています。基準値は37U/ml以下、100U/ml未満が要注意、それ以上ならがんの確率が高いと判断されますが、グレーゾーンでも注意が必要です。CA125とは
卵巣がん、子宮がんに特異な反応を示す腫瘍マーカーで、卵巣癌で高い陽性率を認めます。子宮にできるがんには「子宮頸がん」と「子宮体がん」がありますが、日本人には子宮頸がんが多く見られます。また、子宮内膜症と子宮筋腫の鑑別にも用いられます。そのほか乳がん、膵臓がん、肺がん、大腸がんでも高値になります。ただし、CA125は妊娠初期や月経時・閉経前などにも一過性の上昇がみられます。したがって、CA125を検査する際は、採血日に注意が必要です。基準値は、35U/ml以下です。CA15-3とは
乳がんなどに特異性があるため、乳がんのスクリーニング検査に用いられています。CA15-3は、初期の乳がんではほとんど陽性を示しませんが、転移性乳がんに陽性率が高なります。進行がんになるとCA15-3の陽性率は10%以上となり、再発例ではCA15-3の陽性率が40%以上となります。CA15-3は乳がん以外では卵巣がん(陽性率約40%)、子宮がん(約25%)、膵がん(約20%) などとなっています。がん以外の病気では、子宮内膜症や骨盤炎症性疾患、肝炎でもCA15-3は高値を示します。基準値は、23.5U/ml以下です。B型肝炎(HBs抗原)とは
B型肝炎ウィルス (HBV) が血液・体液を介して感染して起きる肝臓の病気です。「急性肝炎」はほとんどの場合、 B型肝炎ウィルスに感染しても完全に回復します。このときに作られた抗体は生涯にわたって有効なため、その人がB型肝炎ウィルスに感染することは二度とありません。しかし、急性肝炎が完治しないで、B型肝炎ウイルスが継続的に肝細胞に感染した状態になることがあります。これが「慢性肝炎」です。慢性肝炎は自覚症状がほとんど現れることがなく、抗体やウィルス検査を行わないと発見できず、肝炎の慢性化が長期間(数年~数十年)続くと、肝硬変、そして肝臓がんに進行する恐れがあります。C型肝炎(HCV抗原)とは
C型肝炎ウィルス (HCV) の感染により起こる肝臓の病気です。放っておくと慢性肝炎、肝硬変、肝がんと進行する場合があります。肝がんの原因の約8割は、C型肝炎となっています。C型肝炎ウイルスは血液を介して感染し、多くは不顕性感染で、60〜80%の症例が慢性化するといわれています。慢性肝炎は約20年の経過で約30〜40%の患者さんが肝硬変に進行し、さらに肝硬変の患者さんにおいて年率約7%の頻度で肝癌が合併するといわれています。近年新薬が承認されており、投薬による完治が可能です。プラン一覧
肝炎検査(2項目)
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